Oracle Linux 9 導入前調査(1)

 

結論を先に書くと、オンプレミス(自前サーバ)でデスクトップの展開が必要な環境(例えばCAD/FPGA開発環境)ならばUbuntuの方がいいです。X-Windowとしては、軽量さとお飾り機能のバランスが良いXFCE4を好んで適用/展開していますが、EPEL(RHELの拡張リポジトリ)のXFCE4は調整が行き届いていない部分が多いと感じます。がんばればXubuntuと同等レベルに持ち上げることは可能ですが、持ち上げた状態を維持するのも困難です。そもそもRHELはX-Window無しのサーバ運用がメインで、デスクトップ向けの対応はUbuntuに比べて劣ります。以下は、あくまでもRHEL9クローンを選択する状況において、その選択のひとつとして記載しています。

CentOS 8の混乱でRHELクローンの選択を強いられる中でも、自由人達からなかなか人気が出ないOracle Linux。ラズパイ向けの対応もあるのですが。。。 技術面では良い選択だと思うのですが、人気が出ない理由は、理研などの主要サーバにミラーリポジトリが無く、有償のイメージ、あるいは有償化されるのでは?という不安がつきまとうためかもしれません。確かに、かつてのJavaMySQLに対する買収後の対応を見ると不安はつきまとうと思いますが、今でも無償提供されているVirtualBoxはとても秀逸です。唯一無二の存在でもない実装については無償提供され続けると思います。また、逆に、もしもの時は有償サポートを(恐らくRHELの半額以下で)受けれるという点は、”ネームバリュー的な” 魅力でもあります。

Oracle LinuxのKernelには2種類あり、選択が可能です。Full ISOからインストールすると両方のKernelが入り、デフォルトがUEK起動となります。

  1. Unbreakable Enterprise Kernel ( UEK ) (デフォルト)
  2. Red Hat Compatible Kernel ( RHCK )

普通はUEKで良いと思います。理由は、古くなっていくKernelに最新状態を反映していく作業というのは近いうちに限界になると思われ、UEKの進め方が正しいと感じるためです。RHEL7/CentOS7は当にその限界を超えていると見られている節があります。

※ なお、私の周囲では、インストーラをポチポチ進めるのではなく、諸悪の根源となるLVMを外してください。デスクトップ系LinuxではデフォルトLVM Offであることが多い中、RedHat系はデフォルトOnです。該当部をYouTube既存投稿から紹介します。

youtu.be

リポジトリURL:
「インストールソース」をhttpで指定する場合のURLです。コピペできませんので、手入力となります。
Installation media copy of Oracle Linux 9 BaseOS GA :

http://yum.oracle.com/​repo/​OracleLinux/​OL9/​0/​baseos/​base/​x86_64

インストーラ
Oracle Linux ISOs | Oracle, Software. Hardware. Complete.

注意事項:
私のホビーマシンのルートファイルシステムとして永年適用しているbtrfsをここでも使いたかったのですが、「/ 」での利用は断念しました。インストール時にリポジトリURLを設定すればbtrfsを選択できるようになりますが、インストール完了後、OSが起動しませんでした。grubかinitramfsにbtrfsの実装が欠けている可能性があり、もしそうならバージョン初期のインストーラによくあるトラブルのひとつと思われます。/optにbtrfsのSSDをマウントし、サブボリュームで細分化する方向で進めます(開発ツール等は/optに入れます)。なお、btrfsはOracleが開発しGPLオープン公開したファイルシステムです

その他:
私がOracle Linuxをスコープに入れたきっかけは、Xilinx社の古い開発環境 ISE14.7 Windows最終版Oracle Linux6 の仮想マシンで配布されていたためでした。それを知るまではOracle Linuxは全くのスコープ外でした。なお、ISEはシングルスレッドアプリなので、コンパイル時間を時短するにはCPUコア増やしても無意味で、別の工夫が必要です。